今、自分がどちらの方法で接続しているのか、またこれから新規設定を始めるにあたり、どちらの方法で接続すればよいのか、判断する方法です。
環境により下記にも該当しない様々なパターンや例外もあるのですが、大きく分けて3種類。
一般家庭でインターネットを接続する際に必要な最低限の情報に限定し、光回線の場合の代表的なパターンを記載します。
NTTの「ひかり電話」や「光プレミアム回線」を利用している場合は、機器を確認するまでもなく「ルーター接続」に該当します。
また「NTT」マークのある機器へ、NTTや回線の契約元から無線LANカードをレンタルして差し込んでいる場合も、ルーターとして機能します。
①ブリッジ(PPPoE、広帯域)接続
まずは設置されているNTTのマークがある機器を確認します。
ルーター機能なし(ブリッジ)
点灯/点滅/消灯問わず、ランプ箇所が全部で3~5つ
背面にLANケーブルの差し込み口が1つ
※このような機器から下記のような機器をつないでいる場合は「ルーターあり」に該当
ブリッジ機器や(厳密には異なりますが、一般的に)モデム、終端装置(ONU/VDSL)と呼ばれます。
この機器1台のみで、この機器とパソコンを直接LANケーブルで接続する場合は「ブリッジ接続(PPPoE接続/広帯域接続)」となります。
インターネット接続設定のポイント
- このNTT機器とパソコンを直接LANケーブルで繋ぐ
- パソコンの中にプロバイダの接続ユーザー名(ID)やパスワードを設定する
- この場合、このパソコン1台でしかインターネットに接続できない
②ルーター接続
NTT機器の場合
ランプがたくさんあり、上から3番目に「PPP」ランプあり
背面にLAN1~4と差し込み口が複数あり
※「ひかり電話」や「無線LANオプション」を契約している場合に設置される
ただしそのオプションを解約するとルーター機能が停止し「ブリッジ機器」となる
市販の機器の場合
(BUFFALOのAirStation、NECのWARPSTAR/Aterm、コレガ、ELECOMなど)
「ROUTER」や「インターネット」というランプがある
「ROUTER ON/OFF」や「AUTO/ROUTER/BRIDGE」などのスイッチがある(主に背面)
「LAN」と書かれたケーブルの差し込み口が3~4ヶ所ある
メーカーや機種にもより表記は異なるため、すべてが当てはまる訳ではありませんが、これらの一つでも当てはまれば「ルーターあり」と判断していいと思います。
ルーターの特徴
- 機器内にインターネットの接続設定ができるものが「ルーター」
- 有線か無線かは無関係(有線のみのルーターもあり)
- ほとんどのルーターは「アクセスポイント」というブリッジモードへ切り替え可能
- LANの差し込み口がたくさんあってもルーターではない機器もある(HUB)
インターネット接続設定のポイント
- このルーターとパソコン(スマホ/タブレット/ゲーム機など)を、LANケーブルまたは無線LAN(Wi-Fi)で繋ぐ
- ルーターの中にプロバイダの接続ユーザー名(ID)やパスワードを設定する
- パソコンなどの各機器の中には接続の設定をしない
- 一度ルーターに設定してしまえば、あとは他のパソコンなどを有線や無線で繋ぐだけで、どの機器からでもインターネットに接続可能
ルーターに接続設定をする方法
ルーターに設定用のCD-ROMが添付されている場合がありますが、ほとんどの機器はCD-ROMから設定用ツールをインストールしなくても、以下の手順で設定が可能です。
・各ルーターが持っている「IPアドレス」という数字をブラウザ(IEなど)の「(検索バーではなく)アドレス欄」に入力する
(ここで見ているのはルーターの中。設定画面や管理画面と呼ばれます。パソコンの中に設定している訳ではありません)
・設定画面(管理画面)にログインするためのパスワードを設定する
(2回目以降はメーカーが定めているユーザー名と、ここで設定したパスワードでログインします)
メーカーごとに、ほとんど同じ値を使っています。
メーカーや機器により「パスワード」も最初から設定済みの場合もあります
該当しない例外機器もありますが、以下、工場出荷時に設定されている値の多く使われている値の一覧です。
メーカー | IPアドレス | ユーザー名 | パスワード |
---|---|---|---|
NTT | 192.168.1.1 | user | ユーザーが初回に設定 |
BUFFALO | 192.168.11.1 (例外機器一覧) |
admin root |
password なし |
NEC | 192.168.0.1 | admin | ユーザーが初回に設定 |
Logitec | 192.168.2.1 | admin | admin |
corega | 192.168.1.1 | root | なし |
I-O DATA | 192.168.0.1 | なし | なし |
PLANEX | 192.168.1.1 192.168.111.1 |
admin | password |
・開いたルーターの設定画面に、契約しているプロバイダから送付された書類(または契約時のメールなど)に記載されているIDとパスワードを入力し接続する
(プロバイダにより、このIDとパスワードの呼び名が異なります。「接続ユーザー名」や「接続ID」「認証ID」などの項目(途中に「@」マークがあるメールアドレスのような形式)と、それと一緒に書かれているパスワードを探します。
③ブリッジ+ルーター接続
NTT機器がブリッジタイプでも、ここからパソコンには直接繋がず、間に市販のルーターを接続し、ルーター接続にすることが可能です。
NTTブリッジ 市販ルーター パソコンやスマホ
またはNTTの契約(オプション契約や回線の種類など)を変更したことにより、最初はブリッジタイプの終端装置のみ設置されていたのが、あとからルーターが送られてきてこの環境になる場合も。
NTTブリッジ NTTルーター パソコンやスマホ
さらに、NTTブリッジ機器+NTTルーター+市販ルーターという環境も存在します。
この場合、NTTまたは市販どちらかのルーターを「ブリッジモード」にして使います。
NTTブリッジ NTTルーター 市販ルーター パソコンやスマホ
また、ブリッジ機器がない場合はこちら。
NTTルーター (市販ルーター ) パソコンやスマホ
上記4パターンはどれでも「ルーターあり」環境です。
インターネットの接続設定をする前に
いずれの場合もブリッジ機器は、外から入ってくる光回線とルーターまたはパソコンを繋ぐための通り道にすぎません。
ルーターは、契約しているプロバイダの設定をしインターネットに繋ぎ、さらにその接続をルーターと繋ぐパソコンやスマホなどに分け与える役目をしています。
重要なのは、こういった機器を見分けて「どこに 接続するための設定をするか」です。
特に③のような「NTTブリッジ機器+NTTルーター+市販ルーター」環境の場合、NTTルーター or 市販ルーターのどちらに接続設定をするのかを決め、それを把握しておくと、トラブルの際も問題の切り分けが容易になります。
市販ルーターをブリッジモードにする
例2. 市販ルーターに接続設定
NTTルーターにはモードの切り替えがないためそのまま利用
(自動的にブリッジと同じ働きとなる)
このどちらで設定したか意識しておくと、
「回線は問題なく来ているけど、プロバイダーとの接続ができていない」
場合に、どこを確認するとよいか、すぐに判断できます。
※例1の場合はNTTルーター/例2の場合は市販ルーターの、それぞれの設定画面(管理画面)を確認する
また、目的に応じて機器を準備する必要もあります。
①のブリッジ接続で実現
例2. パソコンとスマホを接続したい
複数台で接続できるように、②または③のルーター環境が必要
かつ、スマホを接続するために、無線(Wi-Fi)機能が必要
最初は混乱するかもしれませんが、「壁」「設置されている機器」「パソコンやスマホなどのインターネットに接続したい機器」を図に描き、それぞれを「線」で繋いでみるのがオススメです。
プロバイダの「IDとPW」をどこに設定するとよいか、またインターネットに接続できないなどのトラブルの際も、どこが繋がらなくなっているのか把握しやすいと思います。
この度リリースされた「Windows11Home」は、初期設定でネット接続が必須であり(Windows11Proはネット接続無しで初期設定可能)、しかも「ブリッジ(PPPoE、広帯域)接続」を受け付けていない為、「ブリッジ(PPPoE、広帯域)接続」しか持っていないと、初期設定で後にも先にも動けず詰んでしまうという事態が発生するそうだ。
なので「ブリッジ(PPPoE、広帯域)接続」でネットを使っていた人は、ブリッジ機器(終端装置、ONU)とパソコンとの間にルーターを設置しないと初期設定が完了できない。